
和泉市の義務教育学校
「南松尾はつが野学園」の気になる学校情報!
南海なんばから直通電車で30分ほどの和泉市は、都会過ぎず田舎過ぎない"トカイナカ"と呼ばれるベッドタウンとして人気のエリア。
その和泉市に1年生から9年生までの一貫教育を行う"義務教育学校"である「南松尾はつが野学園」という新しい学校があるという情報をキャッチした大阪ルッチ編集部です。
義務教育学校??1年生から9年生!?と疑問がいっぱい!という事で、南松尾はつが野学園とは一体どんな学校なのかを探るべく、お邪魔することにしました!!ナビゲーターは3児の父であり学校教育に興味深々の大阪ルッチ編集長"ぐみ"と、和泉市のイメージキャラクターであるコダイくんとロマンちゃんです!
小中一貫校とは?
そもそも小中一貫校とはどのような学校なのでしょうか?
数年前より公立の学校でも小学校、中学校の教育を一貫して行う「小中一貫校」が全国各地に開校してきました。小学校・中学校が併設された「併設型小中一貫校」と、地域的な結びつきが強い中学校・小学校が連携する「連携型小中一貫校」に分かれます。
共にそれぞれの教員が小学校・中学校の授業を受け持ったり、児童・生徒同士の交流がさかんに行われます。そうすることで最近よく聞く「中一ギャップ」を引き起こすことなく、小学校から中学校への移行においてかなりの成果をあげているそうです。
大阪に4校しかない”義務教育学校”とは?
では、1年生~9年生の小中一貫教育を行う”義務教育学校”である「南松尾はつが野学園」は、いわゆる小中一貫校とはどう違うのでしょうか?
“義務教育学校”とは小中一貫校の一種で、学校教育法の改正により2016年に新設された学校教育制度です。現在大阪府に義務教育学校はなんと4校しかありません!
一般の小中一貫校とは違い、1年生から9年生までという9年間の持続した一貫教育を行い、カリキュラムや学校運営において学校独自の特色を出すことも可能だそうです。
例えば従来の6・3制が、今の子どもの発達段階にあっていないという意見もあることから独自の学年区切りを設定出来たり、教育内容の実施学年を入れ替えたりも出来るそう。
子どものことを考えたうえで、公立ながら学校運営における自由度が高まった教育機関だという事が出来るのではないでしょうか。
和泉市で唯一の施設一体型の小中一貫教育学校「南松尾はつが野学園」

大阪府和泉市において、実は施設一体型の小中一貫教育を行う唯一の学校が南松尾はつが野学園なんです!

南松尾はつが野学園では、1~6年生を「前期課程」、7~9年生を「後期課程」とし、「6・3制」を維持しつつ、フレキシブルな教育課程を編成できるよう4・3・2の区切りでそれぞれのステージ分けがされています。クラブ活動も5年生~9年生が合同で行ったり、前期課程高学年での一部教科担任制がとられたりといった様な独自性が見られるんですよ!
やはり親としては小・中で大幅に環境の変わる「中一ギャップ」が起こりえないかが心配な部分でもありますから、9年間途切れることなく一貫して教育が行われるという点も非常に安心かと思います。
また、日ごろから年齢差の大きな子どもたちが同じ空間で過ごすことから、子どもたちが非常に穏やかで優しくなったと校長先生もお話をされていました。これもとても嬉しいことですよね!
南松尾はつが野学園にお邪魔してみた!

それでは早速、南松尾はつが野学園に潜入です!
現在開発が進む和泉市の”はつが野エリア”に2017年に開校したばかりの新設校なので、現在は生徒数も少なく1年~9年の各学年3部屋ずつ合計27ある教室もまだ3分の1程度しか使われていません。今後、はつが野4丁目~6丁目の宅地開発が進むと児童・生徒数が増えるという事で校内はとっても広々!慣れない僕は迷子になっちゃいそうでした(笑)。
玄関を入ってすぐに児童・生徒の作品が展示されるホールがあり、いきなり今までの「学校」とは違った雰囲気がプンプンしています!

展示ホールには、子どもが考えた他学年へのメッセージなどを色々と書き込めるメッセージボードも設置されていました。こういった取り組みからも子どもの自主性、積極性が育まれていきそうですね!
広々とした校内をまわっていると、僕もこの学校で勉強したい~と思う所ばっかりでした♪特にびっくりしたのがこちら!
ずっと本を読んでいたくなるような『図書館』

まず驚いたのが図書室の広さ&蔵書数!図書室の中は左右で大きく造りが分かれ、前期課程(1~6年生)と後期課程(7~9年生)用になっています。
こちらは天井が高くとられた後期課程用のスペース。読書スペースも広く勉強もはかどりそうです!

前期課程の児童用スペースには、奧に読み聞かせをするためのスペースがとってあります。

一体どんなお話を読んでもらえるのでしょうか??とっても楽しい時間を過ごせ、子どもに読書習慣がしっかりと付きそうです。
休憩時間中に図書室にやってくる子どもたちが多く、その姿にもびっくりしました!

南松尾はつが野学園では好きな本、面白い本を紹介し合う「ビブリオバトル」というイベントも開催されるそうです。
写真では後期課程(7~9年生)の生徒が5・6年生へ向けて「この本読んで!」と、おすすめの本を紹介しています。
とっても広々とした『体育館』

南松尾はつが野学園の体育館は…めっちゃ広いっ!!なんとバレーボールコートが3面分もあるんですよ!
1~9年生までの義務教育学校では全校集会もみんな一緒!だからひろ~い体育館が必要なんですね。

体育館の床にはクッション性のあるシートが使われているという親切設計!
校舎の上にまさかの『屋上テラス』

屋上には、和泉市を一望できるようなひろ~いテラスが!屋上テラスでも色んなイベントが開催されたりしているそうです。
南松尾はつが野学園の、のびのびした雰囲気にぴったりなどこまでも開放感あふれる雰囲気が広がっています!
食を通じて交流し、食育を学ぶ『多目的室(ランチルーム)』

日の光がたくさん入りとっても明るい「多目的室」は、異学年の児童・生徒たちが給食を一緒に食べて交流し、食育を学ぶ”ランチルーム”として使われています。
また、地域の人たちとの交流・出会いの場としても開放されたりする事もあるそうですよ!
学園を越えた交流がさかんな「南松尾はつが野学園」!

南松尾はつが野学園では、1年生~9年生(7歳から15歳)までの子どもが同じ校舎で学校生活を送っています。休み時間、色んな年代の子どもたちが同じ廊下を歩いている姿がとっても新鮮でした!なにより驚いたのが、小さな子と大きな子が本当に仲良さそうに声を掛け合ったりしているところ。
それもそのはず…実はこの学校では、いわゆる小学生と中学生という異学年の子どもたちが交流するイベントが積極的に行われているんです!
「交流給食会」に潜入!

南松尾はつが野学園に限らず、大阪府和泉市ではすべての小中学校に給食室を設け調理する”単独調理場方式”が取られています。
お昼前になると、出来立て給食の美味しそうな香りがどこからともなくしてきました♪気が付けばコダイくん、ロマンちゃんと共に給食室の窓にへばりついてました(笑)。

単独調理場方式のおかげで、和泉市では中学生もいつも温かくて美味しい給食が食べられるって訳なのですが、異学年交流がさかんな南松尾はつが野学園では前出の”多目的室(ランチルーム)”を使い、交流給食会が頻繁に行われています。
取材時は偶然にも2年生と9年生の交流給食会の日という事で、これはお邪魔しないわけにはいきません!どこから取り出したのかの赤エプロンを身にまとい、ランチルームに突撃です♪

この日の献立はこちら。「さつまいもチャウダー」に使用される”さつまいも”は、2年生が近くの農園で収穫したものが使われているそうです。
こうした柔軟性が効くのも独自の教育内容を実施できる義務教育学校だからだそうですよ!

2年生と9年生が同じテーブルについて給食を食べる姿ってなかなかないですよね!

献立は同じなのですが、ボリュームはさすがに違いました(笑)。


食事中の子どもたちの話を聞くと、みんなとっても楽しそうです♪
印象的だったのが9年生が本当に優しく落ち着いていて、2年生の面倒をよく見てあげていること。2年生もそんなお兄ちゃん、お姉ちゃんのことが大好きだっていうのが伝わってきました!!

給食のあとは9年生が2年生に「箱の中身は何でしょう?」ゲームでおもてなし♪

9年生の出すクイズに、手をあげ答えたがる2年生の興奮っぷりが微笑ましい(笑)。

コダイくん、ロマンちゃんもドキドキしてゲームを見守っています(笑)。
ずっと笑いが絶えない、とっても楽しそうな給食交流会!こうして異学年の子どもたちが頻繁に給食交流会を行っていると、学校全体が仲良しになるのもうなずけます。
「たてわり活動」で学年を超えて活動!

南松尾はつが野学園の1年生から9年生では、学年をまたいで縦割りで班分けがされていて、月に何度か縦割り班で活動するイベントも行われています。
またまた偶然にも、取材時にたてわり活動が行われていました!たてわり活動の内容も色々とあるそうですが、この日は生徒たちが考えたゲームで遊ぶというイベントなんですって!

みんなキャッキャと大盛り上がりだったじゃんけんゲーム!1年生から8年生が、リーダーの9年生とじゃんけんをし、班の全員が9年生に勝利するまでの時間を競います!

伝言ジェスチャーゲームは、流行りのギャグやダンスがジェスチャーで前から後ろへと伝えられていきます。
後半にいくにつれ、どうも様子がおかしくなっていく動きに低学年の児童たちも大喜び♪
こうしたイベントを通じ、上級生は下級生を思いやる心、下級生は上級生を敬う心が自然とうまれるのではないでしょうか?1年生から9年生までが一緒に過ごす学校生活の利点がこういった部分にも表れているのかと僕は感動です(涙)
まとめ

自分の小中学生時代とのあまりのギャップに驚きっぱなしの南松尾はつが野学園!
まだまだ数が少ない施設一体型小中一貫校、その中でも独自のカリキュラムのもと学校運営が行われる義務教育学校は大阪に4校しかありません。
本当に素敵な部分がたくさんの学校でしたが、何よりもそこに通う子どもたちの優しさがあふれる雰囲気が一番素敵でした♪
コダイくん、ロマンちゃん今日はありがと~!
※うちの子も通わせたい~という方も多いかと思いますが、公立学校なので校区が決まっています。校区は和泉市はつが野4丁目~6丁目、そして松尾寺町・春木川町・若樫町・久井町・春木町と広範囲にまたがり、遠方の児童・生徒の為にスクールバスの運行もあるとの事ですよ!